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2020/4/1更新

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ルーマニア点描( in2002 )
ブラショフ市ITセンター、ドナウデルタなど

縁あって、2002年5月から半年間、ルーマニア、ブラショフ市のITセンターの開設と講師に行ってきました。
ルーマニアの自然と表情をちょっと紹介。

あれから、もう18年、その後ルーマニアは経済も進展し、EU加盟も実現。
街もどんどんきれいになっていると聞きます。
ここでは、20年前に書いた記事をそのまま記載しておきます。

ルーマニアといえば

 「吸血鬼ドラキュラ、体操のコマネチ、チャウシェスク独裁政権を倒した民主革命」。私も行くまでは、それしか知らなかったけど、もちろんそれだけの国ではありません。

 人口:2000万人(2016年)、面積:24万平方キロ(日本の本州と同じ)
平野部が多く、トランシルバニアもカルパチア山脈内部の広い高原で、実質は日本より広そう。冬は長く寒いが、夏は小麦、コーン、向日葵、野菜など豊富に取れ、羊、豚、牛など牧畜も盛んです。

 自然と史跡、人情に恵まれ1度来ると夢中になる人も多い。ドナウデルタ、トランシルバニア、ブコビナはヨーロッパ最後の秘境と呼ばれ、動物、野鳥、植物の宝庫です。
 日本との政治、経済の関係はあまり深くありません。その分、利害関係がなく安心して友好の図れる国です。ご覧のように国の形は、金魚が小さな口を黒海に開いたようで、海岸線は短くほとんど内陸の国です。

 民主革命後も経済は低迷していたが、2000年からはようやくプラス成長に転じた。インフレがひどく対ドルレートは下落の一途だったが、この5年は、1$=約33,000Leiでほぼ安定している。
 非能率や、ぼったくり精神も目につくが1人当たりGDPも2,000$を超えたとのことで近くTakeoffするものと信じます。
 パン、ジャガイモ、野菜は非常に安い。ジャガイモ1kgが約¥40、出盛りには¥30、お百姓さん可哀そう。肉も(美味しくないけど)1kg、約¥400、これでもこちらの人は「お肉は高い」と言っています。でも食料が安くて豊富なのは救いです。

 以上の記述は2002年の状況です。その後通貨は、10,000分の1のデノミを断行。経済もかなり上向きに転じているとのことです。

観光その他 ドナウデルタの自然、 トランシルバニアのドラキュラさんに山、避暑、スキー、 ブコビナの5つの修道院、など観光資源には事欠きません。ただ道路、ホテルなどのインフラが今一で、外国人と見るとぼるのは止めて欲しいな。
 でも、ヨーロッパにまだこんな自然がある。ぜひ一度行ってみてください。 今一番の経済協力は観光に行くことと思います。安くて美味しいワインやツイカ(地酒)の輸出や、せっかくの豊かな農産品の加工や輸出がもっと進むと良いのですが。

ブラショフ市

 ブラショフ市は、ブカレストの北170km、人口30万、標高700mの美しい高原都市です。緯度は稚内と同じで、夏は涼しく、冬は非常に寒い。ブラショフ周辺はブカレスト住人憧れの避暑地、スキーリゾートです。

 市の中心部(チェントゥル)の西、ツンパ山の頂上から旧市街の赤い三角屋根を見下ろすと中世にタイムトリップしたような錯覚を覚えます。

 日本の武蔵野市と友好都市の関係にあり、友好10周年記念事業で、武蔵野市と、武蔵野に本部のある医療NGO、ピープルズ・ホープが、パソコンとソフトを寄贈してブラショフ市が、ITセンターを設立。立ち上げ時の講師に相棒の若手技術者、M氏と私、樋口が派遣されたわけです。パソコン・ソフトウェアのご寄付をいただいた日本ヒューレット・パッカード社、日本マイクロソフト社に厚くお礼申しあげます。

 この町には、武蔵野市が「日本武蔵野センター」を開設、日本からの所長が常駐、日本語教室や日本の図書・情報の提供などを行っています。

 幸いに、武蔵野センターの歴代所長のNさん、Oさん、青年海外協力隊のIさん、Sさん、現地のブラショフ市役所やセンターのスタッフや日本語教室、ITセンターの生徒さんと協力して楽しく任務をはたすことができました。

 ルーマニア人はローマニア人、ローマ植民の子孫です。ルーマニア語とイタリア語は今でも通訳なしで通じるとのこと。ルーマニア人はこのアイデンティティーに強いプライドを持っています。ブラショフ市役所の前には伝説のローマ建国の英雄、狼に育てられた双子の兄弟ロムルスとレムスの像があります。

 偏狭な民族主義に毒されなければ、このプライドは悪くないはずです。ここでも普通の人はルーマニア系、ハンガリー系、ドイツ系、協力して仲良く暮らしています。悪い奴らの扇動にさえ乗らなければいいのです。

ブラン城 ドラキュラの城で有名なブラン城はここからバスで約50分。山から、広く開けた平原の際にあるきれいな城です。たたずまいが日本の犬山城に似ています。

 ついでながら、ドラキュラのモデル、ブラド・ツェペシュ公は、オドロオドロした感じはなく、この国ではトルコと戦って独立を守った英雄として、なかなか人気があります。この国ではどの町にも、strada vrad tepes、つまりドラキュラ通りがあります。

ブラショフ市ITセンター


ITセンター全景

 ルーマニアもIT化には熱心です。特に若い人は日本と同じくコンピュータ大好きです。でも子供がお年玉で買えるわけでもなく、安い講習会もありませんでした。

 1クラス10人、1期4クラスで、2学期80人を教え、現地の講師に引き渡してきました。特に第1期の熱気はすごかったなー。こんな機会を待ちに待っていた人が全部集まったみたいです。


終わりに、名刺や自己紹介のWEBページを作らせましたが、作品にもこちらの若い人の夢や希望が垣間見えます。イヤ若い人の夢や希望はどこでも同じです。

 Mさんは若手家具エンジニアです。木材工学科出の才媛ですが、可愛らしすぎて始終中学生に間違われるのが悩みの種です。彼女の My Dream は「山と音楽を一緒に楽しんでくれる夫、そしてもちろん2人の子供」。きっと夢は実現することでしょう。

 高3のM君の My Future は「俺は将来カナダに行くんだ。カナダで良い人に囲まれて、良い学校に行って、良い職に就くんだ」。まるで夢の国のようですね。叔父さんかお兄さんがもう行っているのかもしれません。若い人の夢が、このルーマニアでかなうともっと良いのですが。

 40歳のIさんは失業していましたが、北部に職が見つかり途中で去って行きました。Congratulationと言って送り出しました。

高校生などのパソコン坊やのレベルはすごいです。この中から将来のビル・ゲイツが出るかもしれないと期待しています。

ドナウデルタ紀行

 まとまった休みもなく、ボランティアの金欠出張で、あまり旅行もできませんが、ここだけは行きたかった。
 ドナウの河口の最後の100kmは、面積4000平方キロ(東京都の2倍)の広大な三角州です。このうち陸地は13%で、あとは湖沼と湿原です。動植物、魚、鳥(鶴、ペリカンなど)の宝庫です。


スフントゥ・ギョルゲの船着き場

ついに黒海が見えた

 ブカレストからバスで5時間、デルタの入り口トゥルチェア市から、さらに船で5時間、黒海の河口の村スフントゥ・ギョルゲに着き、村で1軒のペンション、マレーアに宿泊。これ以外の行き方は、ヘリコプターでも使わないとありません。でも自然を守るにはこれぐらい行き難くて良いのかも知れません。
 このペンションでは、ルーマニアには珍しくお魚料理があるのは嬉しい。次の日、歩いて30分、黒海が見えた時は感激しました。


村で1軒のペンション・マレーア

ガイドのフローリン君と船頭さん

 圧巻は、slow boat をチャーターしてのドナウデルタ・クルーズ。あまり高価ければ、あきらめるつもりでしたが、80$とのことで、思い切って行ってきました


カナール

高圧線の上の鶴の巣

 湿原の樹木、花を眺めながら、カナール、湖沼、ドナウ川をめぐります。高圧線の上に鶴が巣をはっていました。ペリカンの大きなこと、飛ぶのが早いことに驚きました。
 自然の驚異、自然の奇跡などという言葉が、素直に信じられる旅でした。

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